「ヒップな生活革命」を読んで、文脈を理解する。
最近読んだ、※佐久間裕美子さんの「ヒップな生活革命」はおすすめです。
この本は、サブプライム金融危機以降、ヒップスター(Hipster)たちによってアメリカで起こった変革、個人の意識改革について書かれています。サードウェーブコーヒーやオーガニック食材の浸透、地元製産にこだわるブランド、レコード文化の再評価など、最近話題のブルックリンやポートランドの文化を中心に紹介してあるので、ファッションに興味がある人にも是非読んでもらいたい内容です。
この本が面白いのはこのヒップな生活革命、一連の流れについての”文脈”が書かれている点。本にあるエピソードはほとんど違う媒体で読んだことがあったものだけど、その全てがひとつの流れにあって、繋がっているのだと分かったことがすごい良い収穫だった。例えば、KINFOLKや&Premiumが提案する価値観だったり、ネットコンシェルジェに書かれているビジネスモデルだったり、最近注目している地方の日本製産にこだわるブランドだったり、自分の中で気になっていたけどバラバラだったものが、繋がって読み終わった後はすごく爽快感がありました。
ヒップスターという言葉は日本だとあまり聞かないですが、この本によると、
1940年代のジャズの世界でスラングだった「ヘップ」(クール、イケてるという意味)が「ヒップ」に変形し、「ヒップスター」としていわゆる「通」に近い言葉として使われるうちに浸透した言葉。今現在使われている「ヒップスター」は1990年代後半から徐々に使われるようになり、2000年代中頃からはブルックリンやポートランドに住む人によく見られる、主流と共存しながらも、自分の商売や表現を通じて自己の価値観を主張している、パンクやヒッピーの価値観を一部受け継ぎながら、テクノロジーの恩恵は受けつつ、手を動かして作られるものを評価する、ような層のことを指す言葉だそうです。
しかし、ヒップスターとは小馬鹿にする言葉でもあるようで、個人的には日本で言う「スタバでドヤ顔でMac…」と似たようなニュアンス(?)を感じました。(ヒップスターがどんな感じかはGoogleで画像検索すると一発で分かると思う→hipster)
昨今、日本で見られるライフスタイル提案型のショップや、ブルックリンやポートランドの人気もこのヒップスター達が作った流れから来ているということですよね。日本だとブルックリンとポートランドという名前だけ先行して表面的に捉えられているけど(とりあえず、Brooklynとかロゴ入れとけばおっけー的な)、それが流行った背景に何があるか理解したいならこの本は必読だと思います。
それでこの本を読んだ後は次は国内でどういった動きがあるのが気になるところですが、ちょうど今月号の&Premiumが国内のヒップなお店を紹介しています。MADE IN KURUMEで注目のMOONSTARや、アサヒのSOLSを取り扱う久留米のショップ”PERSICA"などが載っているので、合わせて読むと良いですよ。
※佐久間裕美子さんの名前の漢字が間違っていました。裕美子のところを由美子となっていたので、訂正しておきました。
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更新ありがとうございます
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